住宅の欠陥を巡る示談交渉

　新築住宅の欠陥を巡る示談交渉の費用として預かった現金をだまし取ったとして、詐欺罪に問われた不動産業の男性に対する判決公判が金沢地裁であったそうです。結論は「犯罪の証明がない」ということで求刑懲役４年に対して無罪。

　この不動産業の男性は２００２年９月ごろ、自宅を新築した女性から、自宅に欠陥があったとして、大工との示談交渉を依頼されたとのこと。その際「大工と交渉するので金を預かる。供託金として弁護士に預ける」と言って現金１６７０万円をだまし取ったとされていました。それに対して、裁判長は「だまし取ろうという意思を認めるには疑う余地がある」と判断しての無罪判決のようです。

　でもこの話はちょっとおかしくて、１）そもそも弁護士が供託金として１６７０万円も預からない。２）１６７０万円は残代金だと思われるが、それをこの不動産業者が預かる理由はない。交渉を終えて駄目だったら、この女性から大工に振り込ませればいい。３）示談交渉で弁護士を関係させるなら、そもそも弁護士を紹介するなどで対応すればいい。　などなど。

　トラブルの場合は正常な判断をしにくいものです。ただ、お金を動かす時には慎重に考えてください。トラブルの時にお金を動かすのは最後の段階の時だけです。