不況で都営住宅の高額所得者激減
東京都が低所得者向けに提供している都営住宅約26万戸で、入居の収入基準を上回る「高額所得者」の人数が10年間で10分の1以下に激減していることが分かったとのことです。
高額所得者の定義としては「都営住宅に5年以上居住し、最近2年間の所得月額が39万7000円を超える人」と規定され、平成10年度には4477人いたが、20年度には389人にまで減っているとのこと。激減と言えます。
さらに、月収が26万8000円~39万7000円の「収入超過者」数をみると、11年には約4万7000人だったのが、20年には約1万7000人にまで減少。収入超過の割合を示す収入超過率は21%から11%と下落しているようです。この10年の間で全体の戸数や入居者数に大きな変化はないことから、収入基準を超えるようになる入居者が減り、低所得者の割合が全体的に増えているといえるようです。
社会の2極化と言われて久しいですが、このように住居費のデータからもそれを伺うことができます。今後、賃貸物件の建設に際しては、このような時代背景を的確に捉えないと、空室増加、滞納者増加などの諸問題が起こることは必至ではないかと考えられます。