青田売のデベロッパーリスク~上海の実例より~
中国/上海における青田売りマンションに関わるリスクについてです。
中国新聞社電によりますと、上海市閔行区蓮花南路で同日午前5時ごろ、建設中の13階のマンションが倒れたとのことです。写真を見ると、根元からポキッと折れており、川とは反対側に全体が仰向けに倒れています。
事故原因についてはいろいろ取り沙汰されておりますが、現場は河川に面しており伏流水があったなど、事故は複合的に発生したという見方が多いようです。地盤に問題があったのは、確かではないかと思います。
さて、問題はここからでして、このマンションはすでに十数棟が建設されており、629部屋中489部屋が売約済みとなっていたとのことです。ただ、デベロッパーは今回の事故で現状回復する資金の余裕はなく、おそらく破産申請をすると見られています。そうなると、現状回復や再建築するとしても、デベロッパーからの資金供出はないため、結局は購入者が資金を持ち出すのか、泣きを見ることになりそうな点が重要な問題です。日本ではヒューザーの事件以来、この手の事故に対する制度は整えられてきましたが、それでもまだまだデベロッパーに対するリスクは自己責任です。中国の例ではありますが、注意が必要でしょう。