浅草寺が都を提訴「高層マンション許可取り消しを」
東京・浅草の高層マンション建設計画を巡り、下町の文化的景観が損なわれるなどとして、近隣の宗教法人「浅草寺」と住民5人が平成21年9月24日、東京都を相手取り建設計画の許可の取り消しを求めて東京地裁に提訴したのことです。
訴状によると、計画は台東区西浅草3に高さ約130メートル(地上37階、地下2階、約700戸)のマンションを建設するというもの。建設するのは藤和不動産で平成21年2月に許可を得て計画したものということです。
浅草寺の西約400メートルに位置することから、原告側は「東京観光の顔でもある歴史的景観を破壊する」と主張しているとのこと。提訴後の会見で原告団は「浅草寺の観音霊場としての荘厳さが損なわれるだけでなく、国や東京の街づくり、観光にも大きな影響を及ぼす」と語っているとのことです。
不動産のトラブルで一番大きいのが近隣間の問題で、建物が立地する街にどのような影響を与えるかを深く考えなければならない時代になりつつあります。今回のもその一例となるでしょう。その影響度合いについては確認できませんが、高層マンションが視覚に占める割合はかなり高いものと考えられます。境内から近代的な高層マンションが見える・・・何となく似合わないでしょう。浅草寺は外国の観光客も多く訪れるところです。その視点で再度協議が必要となることだと思います。