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2009年12月20日

マンションの建築確認を最高裁が取消、違反建築に

 最高裁は東京都新宿区で建設中のマンションについて、区が許可した建築確認を取り消す判決を下した。建物はほぼ完成しているため違法建築状態になり、取り壊さなければならない可能性もある。

 同物件は敷地面積約1,870平方メートル、地上3階建て・総戸数30戸、延べ床面積約2,800平方メートルのマンション。敷地は路地状部分で道路に接している。東京都の建築安全条例によると、延べ床面積2,000平方メートル超で3,000平方メートル以下の建物の場合、接道義務は8メートル。今回のような路地状だと、その道幅自体を8メートル確保する必要がある。但し、区では道幅に不足部分はあるものの、開発内容を総合的に判断して安全性に支障はないと判断し、特例にて06年7月に建築確認を許可している。

 周辺住民らは、マンション計画後背地にある森の保全を求めて「下落合みどりトラスト基金」を設立し、森の買い取り資金を集めて区立公園にするよう区に働きかけていた経緯があり、建築確認の取り消しなどを求め東京地裁に提訴していたが、地裁は住民側の訴えを却下。しかし、その後の控訴審で、東京高裁は09年1月、建築確認は違法だとする逆転判決を言い渡した。今回の最高裁の判断は、区の上告を棄却し高裁判決を維持したものだった。

 今回のケースは、計画地がタヌキや貴重な野鳥が生息している森林内にあるために、保全を図りたい地元住民と分譲会社との間がもつれてしまって最終的にはこのような形になったものと思います。これが、街中にある計画地でしたら、このような形にはならなかったものと思いますので、その特殊な立地性が裏目に出た結果となりました。この結果により、行政が、接道面が足りない路地状敷地に対する建築確認を出し渋りをしなくなるのではないかと少々心配であります。また、マンションも単に取り壊すのではなく、他の活用方法への転用も考えて、森の保全と共生できる道を探るべきではないかと思います。

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