民法と借地借家法~日大の光ヶ丘病院運営の撤退
日大が2012年3月末に、練馬光が丘病院の運営から撤退することについて、民法をタテにその理由を主張しているとのことです。
練馬区と日大側は1991年開院の際に、「日大が30年間病院を運営する」との契約を結んでいたようなんですが、日大側は「賃借期間は20年を超えることができない」とする民法の条項をたてに、契約は2010年度で終了したと主張しているとのことです。一方、練馬区は同条項は「貸主を保護するもの」などとしてあくまで30年間の運営を要求。また、経営が苦しいとの訴えに、区は土地と建物の賃借料免除なども行ってきたとのことで、モラル上からも日大に継続を要求しているとのことです。
~弊社コメントです。
民法上では604条に賃借期間の最長期間を20年ととり、20年後に更新し直すと制限を設けております。まさに日大はこれを取っての主張となっておりますが、一方、借地借家法29条では建物の賃貸借は604条の適用外なので、建物の賃貸借ということであれば、30年が正解で日大の主張は通らないということになりそうです。
でも、そういうことではないようなので、練馬区と日大の契約は場所を貸すというよりも、病院運営の許可を与えるような契約方式だったのではないかなと思われます。それであれば借地借家法の規定を外れ20年でいいという解釈となります。本当のところはどうなんでしょうか?