都心での親子間売買でよく遭遇するケースが
購入時の価格よりも今の時価が高い場合です。
特にここ1~2年は価格が高騰していることもあり、
マンションを中心にこのケースは増えました。
このようなケースで問題となるのは、
売却益が出る計算になるので、高い税金が生じてしまうこと。
そのため、できる限り余計な出費はしないようにと
1)時価を相場のアンダーラインに持っていく
2)贈与など他の方法も併用する
などをお客様、税理士と一緒に検討をしていきます。
ただ、マンションの場合は、同じマンションや類似マンションに
成約事例が数多くあり相場が安定的であること(大きくぶれにくい)
また、各部屋でそこまで大きな価格差が出にくいので、
相場のアンダーラインといっても、そこまで大きな効果を
得られにくいことが上げられます。
ですので、方針は1)は取り組みつつも、2)をメインで考えることが
多くなります。
一方で、一戸建ては逆で、1)がメインになりやすいです。
その理由は、類似する一戸建ての成約事例を見ても
建物形状や、メンテナンス状態など細かい点が1戸1戸違うため
あくまでも参考程度にしかならず、そのため相場の振れ幅は大きく
対象一戸建ての内容によっては、アンダーラインを大きく下げられます。
先日、ご相談を受けた一戸建てもそうでして、
昭和に約8,000万円に購入された一戸建ては
不動産会社に査定に出したところ令和の今では約1億円と
購入時の価格よりも上がっていましたが、私の方で鑑定士と一緒に
調査をしたところ、メンテナンス状態や耐震性の問題から
販売できる状態へと考えると、約1,300万円ほどのリフォームが
必要と判断をして、時価1億円から約1,300万円を差し引いた
約8,700万円前後が妥当な時価とできました。
今回は当てはまらなかったのですが、一戸建てや土地は
その土地の形状や接道などでも、評価が変わりますので、
意外にも時価は増減しやすいと言えます。
どちらにしても、一度は考えてみること。
これに限ります。
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