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東京都杉並区で親子間売買・個人間売買・任意売却・相続対策・借地底地などの不動産コンサルティングと付加価値のある不動産仲介を行っております。

債務弁済事例10:実家のリバースモーゲージを解消するために親子間売買をした事例

概要:実家は10年ほど前にリフォームをしたが、その資金をリバースモーゲージで借りていることが最近分かった。父親はすでに亡く、母親1人で実家に住んでいるが、その母親が亡くなると実家を手放さなくてはならない。母の介護で同居を始めた娘が住み続けるために、実家を親子間で売買をして安心して住み続けられるようにした事例。

不動産の種別:一戸建て     売主:母親    買主:娘

売買時のローン:必要      不動産の時価:3,200万円

ローン残高:1,300万円(リバースモーゲージ)

希望ローン額:1,300万円+諸費用

相談内容:

実家は10年ほど前にリバースモーゲージ(不動産を担保とした利息払いのみの多目的ローン)でお金を借りてリフォームを行った。当時、一戸建ての所有者は父親だったため、手続きはすべて父親が行っており、母親はその内容を知らなかった(令和7年現在はリバースモーゲージでの融資には相続人等の同意が必要となっている)。その後、父親が亡くなり母親が実家を相続したが、ここ2年で体が弱くなり介護が必要となってきた。母親が亡くなった後は娘が実家を相続することで他の兄妹には了解を得て、同居し面倒を見ることになった。娘は別のマンションを所有し住んでいたが、同居ともに売却をしている。娘は父親と母親からリバースモーゲージを借りていたことは事前に知らされていた。住み始めてしばらく経ち生活も安定してきたので、念のために契約内容を確認したところ、母親が亡くなった後は実家を売却してリバースモーゲージの融資金を全額完済するか、売却はせずとも現金で一括返済しなければならないことが分かった。同居前に所有していたマンションは売却をしたがローン残高の返済であまり現金は残っていない。手持ちの自己資金もリバースモーゲージの残高1,300万円に届かないので、一括返済は難しかった。母親が亡くなった後に実家を売って他の家を買う案もあったが、売却して残った金額で購入できる家はあまりなく、育った家でもある実家を手放すのも嫌なので、何とかならないかと模索していた。そのような中、ローンを借りて親子間で実家を売買してリバースモーゲージの返済をする案が浮かんできた。ネットで検索をして数社のホームページを読んだが、親子間売買ではローンを借りるのが大変そうだったため、雑誌でリバースモーゲージの解決方法をコメントしていた弊社に相談しにご来室をいただいた。

問題点:

1)リバースモーゲージを原因とするローンを利用した親子間売買は可能か

2)自己資金の持ち出しがない売買は可能か

3)ローンの利用額を小さくし負担の少ない売買方法はあるのか

解決方法:

リバースモーゲージを原因とする親子間売買で、買主のローン審査をする金融機関は、売主がリバースモーゲージで資金使途を何に使ったのかを確認する。生活費や遊興費といった借金の肩代わりに安い金利の住宅ローンを利用されたくない、それは規約上厳しいということがあるからだ。親子間での売買といっても実態は「親の借金を子が肩代わりする」「親と子のローンの借り換え」と見られているからであり、リバースモーゲージで得た資金を何に使ったのかでローンの難易度は変わってくる。資金使途がポイントとなる。

そこで今回のご相談となるが、リバースモーゲージの資金使途はリフォームだけでありそれ以外の利用はなかった。住宅ローンもリフォーム費用として利用して良い規約があるため、実質、親子間での借り換えとなる親子間売買でも、住宅ローンを問題なく利用できることになった。この点から、1)リバースモーゲージを原因とする親子間売買でもローンの利用は可能とお答えした。※なお、生活費や遊興費の資金使途によるリバースモーゲージでもローン対応は可能ですが、ハードル等は高くなります。

続いて自己資金の件となった。自己資金がまったくない場合は選べる金融機関は限られ、かつ売買方法に制約がでる。しかし、今回のお話だと自己資金はあるが持ち出したくない、自己資金は将来の生活費に取っておきたいということであったので、いざというときは自己資金でローン返済ができる(と話せる)ことから、金融機関は複数ご紹介できる運びとなった。自己資金がないのと、あるけど使いたくないは親子間売買・親族間売買では異なる意味合いとなる。

最後はローンの利用額について。実際に必要な金額はリバースモーゲージの返済額1,300万円と売買に関係する諸費用だったので、その分をローンで借りて売買をしたい希望があった。その方がローンの毎月の支払額は小さく済むからで、返済が安心できるからだ。では、売買価格を1,300万円にすれば良いかというとそうもいかない。弊社の方で時価査定をしてみると実家は3,200万円ほど。その金額と1,300万円は売買価格の差があるので、税務上のリスクはあるとアドバイスをした。しかし、ローンを3,200万円+諸費用分を借りることは、娘の収入を考えると難しく、まず融資審査も通らない。この案は当初から消えてしまった。

そこで弊社からは、1)1,300万円分の持分売買とする方法、2)1,300万円の持分売買を行い、残り1,900万円(3200万円との差額)分は贈与とする方法、この2案をメリット/デメリットを含めて伝えた。1)は残りの持分が母親名義のままとなるので、将来相続等により兄妹の名義になるリスクもあることから、安心して住み続けたいのなら2)の方法ですべて娘の名義とする方が良いと伝えた。

当日はこの提案と諸費用の説明をして終わりとなった。他社の説明を聞いて結論を出すということで当日はお帰りになった。1~2週間ほど経って娘から依頼をしたい旨の連絡があり、母親を伴って再度のご来室をいただいた。

提案に対しては2)の売買と贈与の併用案となった。そこで、母親にも同じ説明をして、ご依頼後の手続きの流れを一通り説明した。また、将来起こる相続の話も行い、母親に遺言書の作成が娘の安心した暮らしにつながる旨を説明した。計画案に同意をいただき、ご依頼をいただいた。

そこからは特段の問題もなく、売買の計画を立てて、税金の確認をし、準備を経てから融資審査の申し込みを行い無事承諾を得た。融資を受ける金融機関に対してリバースモーゲージをリフォームに使った証拠書面を提出する必要があったが、リフォームの請負契約書等を紛失(最初からなかった?)していたため、見積書や領収書、また通帳の振込履歴などから資金使途の証拠書類を弊社でまとめ、作成し提出することで無事承諾を得られた。その後は母親と娘で親子間の売買契約を締結。その後、ローン実行を行い、リバースモーゲージを完済し、登記名義移転してこの問題は解決した。その後、母親からの依頼で遺言書を作成し将来の安心にもつなげた。

リバースモーゲージを完済したときに母親は「知らなかったとは言え、主人がリバースモーゲージを借りたせいで、苦労して手に入れた家を娘が手放すことになったらどうしようかと悩んでいました。本当に解決できてよかったと思います」と喜んでいた。結果的には、金利もリバースモーゲージの3%台から住宅ローンの1%台へとだいぶ安くなったので、諸費用はかかったものの、数年で元は十分に取れる親子間売買となった。また、それ以上に娘が実家に住み続けられることになったのも大きな収穫となった。

同じような事例でご相談がある場合は、是非当相談室までご相談ください。

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