債務弁済事例5:父親が経営をする会社の廃業を選択。担保の実家を親子間売買で取り戻した事例
債務弁済事例5:父親が経営をする会社の廃業を選択。担保の実家を親子間売買で取り戻した事例
概要:住宅ローン以外にも借金(債務)がある父親から家を買って問題ないのか?
不動産の種別:マンション 売主:父親 買主:娘
売買時のローン:必要 不動産の時価:3,200万円
ローン残高(債務含む):2,500万円 希望ローン額:2,300万円
ご相談内容:
父親の会社の経営状態が芳しくなく廃業することを選択。事業融資をしている金融機関からは(連帯保証として)担保にしている自宅を売却して欲しいという要請が来た。1度断ったものの、事業融資は滞納し続けているため、いずれこのままだと競売となってしまう。しぶしぶ売却の検討をするものの、急いで売ると価格が安くなるし、やはりできれば住み続けたいという気持ちがある。そこで家族内で今後どうするかを話合ったところ、娘から「私が買えるなら買っても良い」という提案があり、親子での売買(親子間売買)を検討し始める。連帯保証している債務額は2,500万円、住宅ローン等の残債はなく、他の債務はなし。家族で500万円以上貯金をしていたので、融資は2,000万円(弊社との相談の結果最終的には2,300万円に増額した)もあれば売買し債務を返済できると考えた。
さっそく父と娘で金融機関を回ったところ、残念ながらほぼ全ての金融機関で1)その場で断られる、2)1回大丈夫ですよと言われ審査を出したところ数日後に「事業のローンを住宅ローンで肩代わりする話なので対応方法がない」と否決の回答ということが続いた。2ヵ月ほどが過ぎたため、もう専門家に相談をするしかないと判断し、電話で相談をした数社の一つとして弊社に相談に来られた。
問題点:
1)娘が親子間売買で住宅ローンを借りられるのか
2)父親の事業融資を娘の住宅ローンで肩代わりして問題ないのか
解決方法:
娘の年収は300万円強。当初希望のローン額2,000万円から考えると若干ローン審査は厳しいが、弊社で提携する金融機関の中には1)自己資金がある、2)不動産の担保評価がローン額よりも高い、これらの場合には対応してくれるところがあるためこの問題はクリアできた。あとは事業融資という種別の違うローンを住宅ローンで対応できるかを検討した。提携金融機関もその点が気になる様子。
そこで事業融資を含め父親の借金や税金を債権者等の確認を経て全て洗い出し、かつ信用情報を取得しその裏付けを取る。その結果、担保に付いている債務は当初のとおり2,500万円だったが、他に無担保債務が100万円ほどあった。これらを完済する計画を立て、かつ諸費用を借り入れるとして、娘の融資額を当初の2,000万円から2,300万円に増額をした。ここまでやれば融資元の事業融資の肩代わりという問題以外には他に問題なし(無担保債務の債権者から詐害行為に問われないなど)となり、金融機関もリスクはかなり低くくなると判断。
住宅ローンとして出せるかは金融機関内部で検討をしてもらい、追加資料などを求められるなど時間がかかったが、娘が実家に一緒に住んでいる(住宅として利用している)ことや、大手企業の給与所得者であることから、最終的には住宅ローン扱いとしてくれ、無事融資審査が承諾となった。
あとは流れ作業となる。売買金額を決め、売買契約を親子で締結。同時に父親の事業融資をしている金融機関に配分表や返済計画書を提出して実家の売買の事前承認をもらう。承諾後に融資実行を行い、父親の債務はすべて完済し、娘へ所有権移転登記を行い無事この問題は解決した。ご依頼から3ヵ月弱での解決となった。
同じような事例でご相談がある場合は、是非当相談室までご相談ください。























