債務弁済事例8:父親所有の自宅が任意売却となったので購入して住み続けた事例
概要:
母親と離婚し別居している父親名義の自宅が任意売却となったので、娘が購入をして母親と住み続けた事例
不動産の種別:マンション
売主:父親 買主:娘
売買時のローン:必要
不動産の時価:3,000万円 住宅ローン残高:2,500万円
希望ローン額:2,800万円 自己資金 :100万円
ご相談内容:
7年前に両親が離婚した際の離婚協議にて、父親は自宅のマンションを出ていくが住宅ローンはそのまま所有者である父親が支払い、母親と娘である自身が住むこととなった。ただ、最近になり父親が住宅ローンの支払いを4ヵ月ほど延滞したことで、マンションを任意売却することとなったので、売却依頼をした不動産会社に部屋を見せて上げて欲しいと連絡があった。それまでは滞納をしているとの連絡は一切なく、融資元のA銀行からも連絡がなかった。当初は他のマンションに引越しをすることも考えたが、駅からの徒歩分数と部屋の大きさが近い部屋を借りると賃料で月額13~15万円することから、それは支払いが厳しいと賃貸は躊躇していた。賃貸なら月額10万円までの支払いにしたいが、そうなると沿線の終点駅があるエリアまで離れざるを得ず、自身の勤め先や母親のパート先からも離れるのでなかなか決断することはできなかった。そんな折に任意売却をする不動産会社から連絡が来て、「お母様や娘様の方でこの部屋を買い取るつもりはないか?」と聞かれた。「現金はないが、住宅ローンを借りることができれば検討をしたい」と話をしたところ、「対応できる銀行がある」と言われ、親子間での不動産売買が可能と分かり、検討することにした。ただ、任意売却の不動産会社から「ローンの審査をするから源泉徴収票と運転免許証、印鑑をもって銀行に来て欲しい」と詳しい話をされず連れていかれたところ、急に諸費用分として200万円を用意して欲しいと言われ、かつローンの金利も4%台で月々14万円近い支払いとなると告げられたので、「検討する時間が欲しい」と伝えて断ることにした。一度自宅に戻り母親と相談をしたところ、性急に事を進めず希望も聞いてもらえる他の不動産会社が良いのではないかということになり、ネット等で探したところ、検討する2社のうち1社に弊社をお選びいただき一緒に対応策を検討をすることになった。なお、この不動産会社には媒介契約の期間が切れたということもあり、父親には契約更新しないでしてもらうことにした。
問題点:
1)任意売却における親子間での不動産売買に住宅ローンは出るのか
2)希望する支払い等資金計画を含めたプランをお出しできるのか
解決方法:
弊社にお越しいただき、ご希望を伺うと①自己資金はなるべく出したくない、②金利は一般的な1%前後が良い、③他に税金その他がかからないように売買したい、この3点を重要にお考えということであった。そこでさっそく資金計画を含めたプランを検討することにした。③は調べると様々な特例等を使えるので問題なしとお伝えして、特例等を利用するための必要な書類は弊社で作成することにした。ただ肝心の資金計画案は、スッキリとお選びいただけない2案のご提出となった。1案目は①自己資金を出していただくが②金利は安い、2案目は①自己資金は出さないでも構わないが②金利は2%台とやや高め、と①②のどちらを重視するかの判断が必要な選びづらい内容となってしまった。
そのような折に検討をしていたもう1社から①自己資金は全く必要なく、②金利は1%よりも低い金利で金融機関からOKを取ったという好条件での連絡を受けたということで、弊社の提案の検討は一旦見送りになってしまった。ところが、もう1社の担当者と銀行へ伺ってみると審査をしてみないと分からない、審査の結果自己資金が必要になるかもしれない、税金について問題がないとの税理士の確認が欲しいと言われたようで、OKと聞いた話と異なると感じがしたとのことであった。そこで再度弊社にご相談をいただき、最終的には弊社へ業務をご依頼いただくこととなった。
弊社への業務依頼後、2案のどちらが良いかを検討していただいた結果、やはり自己資金は使いたくないので金利は2%でも2案目を選びたいということになった。それでも毎月の住宅ローン支払い額は9万3千円なので賃貸よりも良いとなったようだ。ただ、ずっとこの金利は嫌だということで、将来の借り換えを検討した結果、1~2年先には通常金利への借り換えもできる判断となり、それならばということで2案目を実行することなった。提携する金融機関へは事前に書類を提出していたこともあって、融資審査はスムーズに承諾。その後は、A銀行に任意売却関係書類を弊社から提出し本部の承諾を得て、父親と娘の売買契約を締結、提携金融機関にて金銭消費貸借契約をご締結いただき、無事住宅ローンを実行し所有権移転登記、A銀行の債務を完済するまで進むことになった。住宅ローン実行後は父親の税務関係の書類を税理士とともにサポート、娘の方には住宅ローン控除などの申告の手続きをサポートして業務を終えた。
同じような事例でご相談がある場合は、是非当相談室までご相談ください。