相続事例1:義理の弟の持ち分を親族間売買で買い取った事例
相続事例1:義理の弟の持ち分を親族間売買で買い取った事例
概要:
今住んでいる家は義理の父と弟名義のマンション。住み始めてから5年後、義理の弟が新築のマンションを買いたいという話になり、そのためマンションの自分の持ち分を買い取って欲しいということ親族間売買を行うこととなった。
不動産の種別:マンション 売主:義弟(持分3分の2) 買主:義理の兄
売買時のローン:必要 不動産の時価:2,000万円(全体3,000万円)
住宅ローン残高:2,000万円 希望住宅ローン額:2,200万円
自己資金200万円(義父からの贈与100万円含め)
ご相談内容:
住んでいるマンションは義父と義弟が所有をしており、義弟が転勤で出たときに代わりに購入時のローンを毎月支払う約束で借りた。義父と義弟の持ち分は義弟が多く3分の2、義父が3分の1。購入時に義弟に1,000万円を贈与したのを持分に反映をさせたとのこと。住み始めて5年ほど経ったところ、義弟から「そちらに戻る話が出てこなく、また子供を転校させたくないので、こちらに新築マンションを買おうと思う。そのため今のマンションを売ってローンを完済したい」という相談を受けた。ただ、こちらも娘の小学校を転校させることなるため、他に住まいを求めるにしてもあと3~4年後にしたい。妻と相談をした結果、義弟にこのまま住まわせて欲しいと伝えたところ、「それなら自分の持ち分を買い取って欲しい」と言われ、何回かの話の後に、義弟の持ち分を買い取ることで住めないか、という結論になった。
そこで、義弟が借りている銀行や、いくつかネットで金融機関に融資審査を申し込んだところ、ほとんどが「親族間での不動産売買にローンを出すのは難しい」「持分売買というのは受け付けていない」という返事。どこか融資をしてくるところがないかと、駅前にある都市銀行に相談をいったところ「審査をしてみましょう」と言われたが、審査に必要な書類を集めていた数日後、銀行の担当者の上司から「今回は誠に申し訳ないですが、審査できません」という連絡があった。「保証会社に問い合わせをしたところ、受付ができないご相談でした」と平謝り。そう言われてはしょうがない。
ここで手詰まりとなり、どうにかならないかと弊社を探してご連絡をいただいた次第であった。打ち合わせをしたところ、ご夫婦とも働いており、ご収入、ご職業、借り入れ等は問題はなし。希望融資額2,200万円は親族間での売買でも、資金計画上でも問題なく、承諾されるだろう金額であった。問題になるのは、次の2点であった。
問題点:
1)持分売買に対するローンを認めてくれる金融機関が少ないこと。
2)持分売買となると義父様の融資審査が必要になることもある。義父様は借り入れがあるだけではなく、若干遅延もあり、審査自体に通るか不透明なこと。
解決方法:
弊社の場合は持分売買でも金融機関を選ばなければ、住宅ローンを利用できるので1番目の問題はなし。
問題の2番目については、お話を聞くからに若干厳しかったが、多少レベルを落として対応してくれる金融機関もあることから、そこと話を進めて融資を受ける話をご提案した。諸費用が増えること、スケジュールがかかることなど、総括的なお話をさせていただいたところ、「考えさせてください」とお帰りになられたが、2週間ほどたって「お願いをしたい」となりご依頼を頂戴した。
ご依頼後は、すみやかに手続きをした。金融機関から求められていた、不動産鑑定士と時価額の調整を行い今回の2,000万円の買い取り額の妥当性をだし、その次に税理士から税金的な問題がない旨の所見書をもらった。あとは「他の相続人の同意も取って欲しい」ということで、義妹様にも同意を取り提出。これで持分売買ができることになった。その上で、安い金利をどう出すかが焦点となった。交渉のすえ、金利は1%弱。ネット銀行と比べると若干差があったが、融資事務手数料や保証料を含めるとそう差がないとご判断をいただいた。あとは融資審査をかけて、正式に承認。そのまま融資を実行する運びになった。義弟様が遠方にいることもあり、スケジュール的には間延びしたが、ご相談から3ヶ月強で希望どおりの結果になった次第だ。
同じような事例でご相談がある場合は、是非当相談室までご相談ください。