兄弟姉妹事例1:住んでいる弟夫婦名義の家を兄が買い取った事例
兄弟姉妹事例1:兄家族が住んでいる弟夫婦名義の家を買い取った事例
概要:
弟名義の家に住んでいる兄家族が、弟から家を買い取ることにしたが、すでに住んでいるために住宅ローンがなかなか借りられないことが分かり、どうするかと悩んでいた。
不動産の種別:中古戸建
売主:弟、弟の妻(ともに名義は2分の1ずつ) 買主:兄
売買時のローン:必要
不動産の時価:2,800万円 住宅ローン残高:1,300万円
希望ローン額:2,500万円 自己資金200万円
ご相談内容:
兄家族が3年前から住んでいる中古戸建は弟夫婦が15年前に購入したもので、弟夫婦が転勤で離れる際に賃貸で借り受けることになったものだ。ただコロナ禍となり、賃貸では手狭になった弟夫婦が住宅ローンを組んで転勤先で家を買いたいと言ってきた。しかし、弟夫婦は銀行から兄夫婦が住んでいる中古戸建のローンを完済しないと新しいローンを出すのは難しいと断られてしまった。そこで残債を確認したところ1,300万円あるため、弟夫婦も自己資金での完済はできず、中古戸建を売却し完済するしかないと考え兄夫婦に相談を持ち掛けた。
兄夫婦としては、環境を気に入っており、また子供が小学生で学区を変えたりしたくないこともあって家を出る気はなかった。そこで住宅ローンを組んで家を購入しようと考え、ネット銀行や都市銀行に相談をしたところ、「住宅ローンは住む家を購入するために提供しているもので、すでに住んでいる家を買うためのものではありません」「親族間での不動産売買へは融資をしません」など様々な理由をつけられて断られてしまった。
困ってしまった兄夫婦は何か良い打開策がないのかと思い、知人の税理士に相談をしたところ、弊社を紹介いただき、それでご来室いただいた。
問題点:
1)すでに住んでいる中古戸建の購入でローンを組めるのか
2)兄は自営業で年収に変動があるがローンが組めるのか
3)少し安く買っても問題ないのか
解決方法:
兄の年収自体は500万円前後であり、他に借り入れもなかったが、仕事が輸出入関係の自営業で、変動する売り上げに応じて年収が毎年違っているのがネックではあった。3年間大きな変動がなければあまり問題はなかったが、残念なことに昨年が低く300万円弱となっていた。3年平均では400万円を超えるので問題ないが、この年だけ見ると希望する2,500万円のローンには届かない。第三者が売主である中古戸建を購入するのであれば3年平均の年収はあるので特段問題はないのだが、今回は弟夫婦との親族間売買にあたるので、年収変動と親族間売買、2つハードルがあることを弊社提携の金融機関からは難色を示されていた。すくなくとも金利は一般的な住宅ローン金利にならない可能性があった。
そこで、弊社にて①兄夫婦の資産状況を確認明示し、年収に変動があっても支払えること、②弟夫婦へ渡る売買代金は住宅に充てられること、この2点を資料としてまとめ、金融機関に提示したところ親族間売買で審査の土台に上げたい、金利も優遇金利で適用する、という話が返ったきた。
ある程度、話がまとまったので、売買代金と税金などを見てみることになった。時価評価は2,800万円だが、兄夫婦の希望で売買価格はローン希望額と同じ2,500万円とした。弟夫婦も話し合いにより契約不適合責任免責(建物とかに問題があっても弟夫婦の責任はなし)で納得した。多少時価との差はあるが、契約条件から言っても妥当性があると考えられる。税金も売買価格を下げたことで大きな税金がかからないことが分かった。念のため弊社提携の税理士に確認をしてもらったところ、おおむね想定通りとなった。これで審査に取り組めるようになった。
あとはスムーズに進んだ。審査を進める中で優遇金利を受けられる条件に合致するように書類を提出したり、公共料金の振り替え、そして敷地内にある物置の登記など細かな問題があったが、それらをサポートして、無事売買まで終わることができた。
ただ、1つ想定していなかったことがあり、融資条件として「売買代金を弟夫婦の住宅購入充てること」とされたため、転勤先で住宅購入の売買契約を締結してからの金銭消費貸借契約(お金を借りる契約)の締結となったしまった。それにより、スケジュールは2カ月弱遅れてしまったが、あとは問題なく、兄弟間での親族間売買は完了した。
同じような事例でご相談がある場合は、是非当相談室までご相談ください。